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睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気で、1時間に5回以上の無呼吸が見られた場合に診断をされます。この病気は睡眠の質を下げ、日中の眠気や体のだるさなどを引き起こし、社会生活にも影響を与えます。さらに、血液中の酸素不足により心臓や脳、血管に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こす可能性があります。また、糖尿病や高血圧などの持病にも悪影響を与えることが報告されています。
睡眠時無呼吸症候群には2種類ある?
睡眠時無呼吸症候群は、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と「中枢性睡眠時無呼吸症候群」の2種類に分類されます。「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」は、上気道が狭くなることで呼吸が止まり、「中枢性睡眠時無呼吸症候群」は、脳から呼吸をする指令が来なくなってしまうことで生じます。
睡眠時無呼吸症候群の診断
睡眠時無呼吸症候群の診断は、最初に簡易型アプノモニターという装置で検査を行います。
この装置では、呼吸時の鼻や口の状態や血液中の酸素濃度を測定し、自宅でも簡単に検査ができます。もしアプノモニターで睡眠時無呼吸症候群が指摘された場合は、通常一泊二日の入院で精密検査を受けていただく必要があり、専門医療機関へのご紹介をさせていただいております。
精密検査は、ポリソムノグラフィー(PSG)を行います。PSGでは、呼吸の状態や血液中の酸素濃度に加えて、脳波や筋電図も測定し、睡眠の質への影響を調べます。睡眠時無呼吸症候群の重症度を判定するために無呼吸・低呼吸指数(AHI)を測定し、閉塞性・中枢性の鑑別も行います。診断によって適切な治療方針を提示することができます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群について
主な原因
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は肥満や顎の小ささ、舌が喉の根元に落ち込む、飲酒、睡眠薬の使用が主な原因です。
治療
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の対策は、まず日々の生活習慣を見直すことから始まります。健康的な体重の維持、アルコールの摂取を控える、睡眠薬の使用を減らす、などが基本的な改善策となります。症状が軽度から中程度の場合、口の中に入れる装置(OA)が助けとなることがあります。症状が重度である場合には、持続陽圧呼吸療法(CPAP)という治療法が用いられます。これは、マスクを通して一定の空気圧を維持し、呼吸道が塞がるのを防ぐ装置です。鼻や喉を手術して呼吸道を広げる治療法もあります。特に子供の場合、睡眠時無呼吸症候群が成長に悪影響を及ぼすことがあるため、アデノイドや扁桃腺の手術が推奨されることもあります。
中枢性睡眠時無呼吸症候群について
主な原因
この病気の発症メカニズムは未だに完全に解明されていませんが、心不全や脳卒中、心機能低下が起こっている時に、しばしば睡眠時無呼吸症候群が見られると言われています。症状はいびきや無呼吸だけでなく、日中の眠気や倦怠感が伴うことが多いです。夜間に息苦しさからおこる中途覚醒、頭痛、憂鬱な気分など、日常生活に支障をきたす場合もあります。
治療
心機能の低下などの原因になる疾患がある場合にはその原因となる病気の治療が最初に行われます。その治療にも関わらず無呼吸症状が続く場合には酸素投与やCPAP、より高度な治療である陽圧呼吸療法といった治療法が選択されることがあります。
治療すれば劇的に改善が見込める病気です
睡眠時無呼吸症候群は日本で約500万人いるとされ、しかし適切な治療を受けているのは1割程度だと言われています。
この病気は適切な治療を受けることによって劇的に改善することが多く、いびきや無呼吸を指摘された場合は、早めに受診することが重要です。当クリニックでも、しっかりとフォローが可能ですので、お気軽にご相談ください。